昨日までの内定者研修を成功させるには①②では、内定者が辞退を選ばないように、工夫させる技をお伝えしました。
次に、内定者研修のプログラム例をご紹介します。目的ごとに適したプログラムが決まっているわけではありませんが、プログラムを決めるときには「この目的を達成するには、どんなプログラムが最適なのか」という観点で設計することが重要です。
*社会人ビジネスマナー研修
仕事への関心や意欲の向上を目的に、「社会人ビジネスマナー研修」を行う企業も多いです。スーツに身を包み、ビジネスマナー研修を受けると「いよいよ社会人になる準備が始まった」という気持ちになります。
名刺交換のロールプレイングやビジネスメールの作り方、言葉遣い、社会人としての心構えなどを学ぶことで、遠いと思っていた社会人への道が急激に近づいたように感じるでしょう。ビジネスマナーの経験を積むことで、社会人への一歩を踏み出す前向きな気持ちを醸成できます。
*職場見学
仕事への関心や意欲の向上を目的に、「職場見学」を内定者研修に入れる会社もあります。職場見学を実施すると、紹介ムービーや面接での雰囲気とは違った現場ならではの臨場感や社会人の仕事にかける気迫を伝えられます。
「自分もこんな風にかっこよく働きたい」と感じる内定者も出てくることでしょう。
また、現場を見ると「ここが自分の職場になる」という帰属意識が生まれ、先輩方に自分を重ね合わせて具体的に働くイメージが湧きやすくなります。
*グループワーク
入社前期間の有効活用を目的に、「グループワーク」を行う会社も多いです。就職活動のときは試験の一環であるため緊張して楽しめなかったグループワークも、今後一緒に働く仲間とであれば感じ方も変わります。
プレゼンやディスカッションを行い、上司・先輩からのフィードバックをもらうことで、仕事の雰囲気を疑似体験できます。具体的なフィードバックを得ることで、入社前に学んでおきたいという気持ちが強まる内定者も多いでしょう。
*内定者懇談会
不安の解消→内定辞退の防止を目的に、内定者が一番不安を感じやすい人間関係にフォーカスした「内定者懇親会」を実施する企業も多いです。同期・先輩・上司とのコミュニケーションの場を設けることで意見交換や相談ができ、この会社で頑張っていこうという気持ちを醸成できます。
これらの内定者研修の効果やメリットは、不安の解消ができて初めて得られるものです。最初に不安の解消ができなければすべての効果を失い、かえって内定辞退率を高める可能性もありますので注意しましょう。
内定者研修の成功には、不安定な学生の気持ちに寄り添う気持ちが欠かせません。現代の価値観では、以前のような労働環境は受け入れられないことを意識して臨みましょう。
今回ご紹介したことは、人事・採用担当者だけが理解していても意味がありません。内定者研修に参加する全社員に理解してもらう必要があるのが、内定者研修の難しいところです。
「内定者の不安を解消して、自分たちの仲間になってもらう」という気持ちを忘れず、ぜひ全社一丸となって内定者研修を成功させてください。
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