母集団形成から始まり、エントリーシートや適性検査を経て、いよいよ面接です。オンラインオフライン問わず、新卒でも中途でも採用する前には必ず面接選考を行います。
面接は企業にとってもお互いを確認する重要な場です。
面接官は学生の人となりを見抜き、自社で活躍してくれる人物なのか、成長の伸び代を期待できるのか、といった点を見抜くために高い技術と幅広いかつ専門的な知識が必要とされます。
今回は、採用担当者の選考能力の集大成ともいうべき面接について、面接官の役割や面接官としての心得、また面接で使える質問等、幅広く解説していきたいと思います。
面接は応募者と企業の将来を左右する重要な場です。そのため、面接官には高度な技術と専門的知識が求められます。
当記事では、初めて面接官になった人からベテラン面接官まで幅広く活用して頂けるよう、面接官の役割や心得、面接の進め方や人材の見極め方、面接で使える質問集等分かりやすく解説しています
「良い人を採用したい」というのは良く聞きますが、良い人を採用する為には、良い人材が豊富な良い会社であり、良い面接官が面接をする必要があります。
なぜなら、面接官が学生を見ているのと同じくらい、それ以上に学生は面接官と会社を冷静に見ているからです。
さっそくですが、面接官が担う主な役割は、学生の「①見極め」「②動機づけ」です。
まず「①見極め」から説明していくと、面接官は学生の能力や人間性を正しく把握する「目利き力」と、配属部門や活躍をイメージする「想像力」が求められます。
「目利き力」と「想像力」と言われても最初から備わっている人は少ないので、どうしても 経験や情報が必要になります。
その経験や情報を得る場として最適なのが面接なのです。
まず、情報収集についてです。
採用計画が立てられた時点で、必要な人材像やチェック項目が判定基準として設定されていると思います。
もちろん手元にある評価シートの質問を全てクリアできてOK!となれば簡単ですが、そう上手くはいきません。
ある時は直接的な質問で、ある時はエピソードの中から取り出すエッセンスと五感を 駆使して面接に取り組まなければなりません。最初のうちは五感をフルで働かせているので面接の後はドッと疲れてしまいます。その後何度となく面接を経験し五感を鍛えることで、第六感ともいうべき目利き力を培っていくのです。
面接で収集できる情報としては
・コミュニケーション力
・人間性
・ストレス耐性
・価値観や思考特性
・エントリーシート中に記載されている情報の裏付け
等があります。
事前に収集できるエントリーシートや適性検査の情報に面接で収集することでできる「人間性」に関わる部分を照らし合わせて、自社が必要としているのか、自社で活躍できる人材なのかを判断するのです。
次に「②動機づけ」ですが、これは簡単に言うと「ファンになってもらうこと」「入社すべき理由を確信させること」です。
実は①見極めよりも②動機づけの方が難しく、スキルが必要です。
言い換えると、好きになってもらう事の方が難しいよね?ということです。
超売り手市場の昨今、言ってみれば学生は企業を選びたい放題です。しかも、学生は目に見えない成長性等を企業側は想像して採用しますが、学生が企業を選ぶ基準の中には簡単に変えることは出来ず、でも明確に目に見える給与や福利厚生等がありますので、よりシビアであるとも言えます。
そうなると面接官のヒューマンスキルも必要になってきます。
学生を惹きつけてさらに志望度を上げるためには、目に見えること、目に見えづらいことの両面の魅力を最大限にイキイキと語れることが必要です。
良い所だけではなく、自社が今後解決していくべき課題認識についてもしっかり伝えることで、入社後のミスマッチによる早期退職を事前に防止することが出来ます。
また、素直に質問できるような親しみやすい雰囲気を作ることも重要です。
学生がつい本音を言ってしまうようなリラックスした雰囲気を作ること、「この人は真剣に話を聞いてくれている」と期待感を醸成することが ②動機づけのポイントです。
①と②どちらかが欠けても面接官としては成立しません。
面接官の人選をする場合、①見極め力 ②動機づけの2つの観点で選ぶようにしましょう。
1次面接や2次面接で自己PRや取り組んできたことについては聞いている、という前提で最終面接で聞いておきたい質問例をご紹介します。
最終面接で確認しておきたいポイントは
「適性を測る」
「志望度を測る」
「この人に内定を出すべきなのか決める(採用すべき理由を確認する)」の3点です。
①認知・エントリーの経緯
②何かを決める時の基準や軸は何か
①と②の質問を聞くことで、その人がどんな軸で就職活動をしているのか?
また物事を決める時のクセやトリガーを知ることが出来ます。また、志望度や風土適性を検討することが出来ます。
③志望動機・志望理由
本人が成し遂げたい事が本当に実現できるのか、また本人の志望度を知ることが出来ます。
辞退リスクを考えると悩んだ時は志望度が高い方というのは鉄則ですので参考にしましょう。
④自分自身の強みとその強みを社内でどう活かしたいか
⑤入社後のキャリアビジョン
⑥人生観(どのようなライフとワークを送りたいか)
上記3つの質問は、人材の定着について検討することが出来る質問です。
本人の強みを業務で活かせるのか、望んだ働き方が可能なのか、すり合わせをすることが出来ます。
⑦人間関係で困った経験と解決方法
困難を克服する方法を聞くことで、その人の対応力や思考特性を知ることができます。
⑧就活の中で自分が変わったと思う事、変わらなかったと思う事
新卒採用はポテンシャル採用と言われるように、本人の成長性を期待した採用です。
就職活動の短い期間での特に成長した学生がいたなら、その将来性に期待できる可能性が高いのです。
⑨企業理念やビジョンに対しての感想と自分自身のポリシーとの合致度とその理由
⑩弊社を簡単に説明してください(いい所と悪い所、その解決方法等)
志望度の高い学生程、盲目的にその企業のことを良い企業だと思い込んでいることがあります。
志望度という意味では問題ありませんが、様々な情報を収集した上で冷静に判断できる人物なのかどうかを知ることができます。
問いかけた質問に対しての回答が「聞きたいのはそういうことじゃない!」という場合、実は聞き方や質問に問題があったのかもしれません。
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