新卒の定着率を上げるためにできることはいろいろありますが、最も効果が大きいのが採用面接 の見直しです。
職場環境やマネジメントの改善ももちろん大切ですが、採用面接を見直し、「すぐに辞めてしまうような人」を採用しないことで、定着率は大きく改善できます。定着率の悪い会社は「とにかく誰でもいいから」と、ミスマッチな人材を採用してしまっていることも少なくありません。
そんなミスマッチを防ぐために、採用面接では次の5つのポイントを意識してみましょう。
伝えるべきことを伝え、採用時のミスマッチを防ぐ!
1.求人票はできるだけ詳しく書く
パート・アルバイトを募集する際には、ハローワークやフリーペーパー、求人情報サイトや自社ホームページで求人票を公開することになると思います。その際、求人情報はできる限り、仕事内容や職場の様子を具体的に書きましょう。
「この職種ではごく普通の仕事内容だから、詳しく書くようなことはないんだけど…」という場合には、職場にどのようなスタッフが多いのか、どのように働いているのかを詳しく伝えるのも効果的です。
「職場には店舗周辺に住む子育て中の主婦がたくさんいます。休憩時間に子育て情報を交換しながら、働いています」
「アルバイトは学生中心で、時々皆で飲みに行ったり、バーベキューをしたりしています」
など職場の雰囲気を伝えることで、自然とそれに合わない人は応募しなくなり、その環境で働いてみたいと思う人が応募するようになります。
2.企業のホームページで「どんな人を求めているか」を詳しく発信
ハローワークやフリーペーパー、求人情報サイトは掲載できる文字数や情報量が決まっていますが、自社のホームページなら制限なく様々な情報を発信することができます。ハローワークやフリーペーパーなど他の媒体で求人を見つけた人も、今は必ずその企業のホームページをチェックします。
だからこそ、ホームページで経営理念や「どんな人を求めているか」などのメッセージ、社風がわかるエピソードや制度、活躍している先輩の話など職場環境がわかるような情報をできる限り発信しておきましょう。職場の風景や先輩の写真を載せるのも、効果的です。
このような情報を発信すれば、その経営理念やメッセージ、そして職場の雰囲気をみて「いいな」と思った人が応募してくるので、求人票と同様に応募段階でミスマッチをある程度防ぐことができます。
3.経験・スキルだけでなく適性も採用条件に入れる
必要な経験やスキルだけでなく、適性も採用条件として考えておきましょう。「あれもこれも」と欲張り過ぎてもいけませんが、職場の雰囲気や業務に求められる適性を考えて「最低限こんな人」というレベルを決めておくと、採用のミスマッチを防ぐことができます。
それと同時に、「採用してはいけない人」も決めておくことも大切です。過去に、入社後すぐに辞めてしまった人のタイプを分析しながら、「職場に合わない人」をはっきりさせておきましょう。
4.面接では経営方針、仕事内容、勤務条件をきちんと伝える
面接では、経営方針や仕事内容、勤務条件をきちんと伝えましょう。
「仕事は簡単なので大丈夫ですよ」「職場も和気藹々とやっていますから」など、いいことばかりを伝えてしまうと、職場に対してよいイメージが膨らんでしまいます。
それが事実なら問題はありませんが、入社後に異なる点が多いと、「聞いていた話と違う」とそのギャップに失望され、早々に離職される原因となります。面接では、現場をどのような経営方針で運営しているのか、現場のスタッフに何を求めているか、具体的な仕事内容や勤務条件はどのようなものか、ありのままを伝えましょう。
たとえば、残業が多い、新しいスタッフばかりで教育環境がきちんとしていない等の職場なら、「残業をお願いすることもありますがいいですか?」「新規スタッフばかりで少しバタバタしていますが、大丈夫ですか?」と確認することが大切です。
入社後に長く働き続けてもらうためにも、職場のマイナス面もきちんと伝えておきましょう。
5.採用したい人なら面接で認識のズレがないか確認を
ぜひ採用したいと思う人なら、面接で応募者が職場や仕事内容に対してどのような理解をしているか、応募者の話を聞いて確認しましょう。応募者が持っているイメージがどのようなものか確認するためにも、こちらから説明するだけでなく、相手の言葉で話してもらうことが必要です。
「この仕事をやってみたいと思ったのはなぜですか?」
「この求人に興味を持ったのはどんな点ですか?」
などの質問で、相手の話を聞きだしてみてください。そしてそのイメージが事実と異なっていた場合には、面接の場で修正し、「実際はこうだけど、大丈夫?」と確認していきましょう。
入社前の認識と入社後の現実のギャップを極力ないようにすることが、早期離職を防ぐポイントです。
採用ミスマッチによる離職率が気になり始めたら、一度採用プロセスを見直してみましょう。
コメント