今回は、「書類審査の見極め方」についてです。
全員と面接して、人となりを知ることが出来ればいいのですが、プレエントリーも含めると企業によっては何万人というエントリー者が来る現状では、なかなかそうもいきません。そのなかで、選考手段として多くの企業が最初の選考として設定しているのが適性検査やエントリーシートでしょう。
しかし、「エントリーシートを活用しきれている」と答えられる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
定期的に見直しをしていますか?
それぞれの質問項目で知りたいことが明確になっていますか?
無駄な質問は入っていませんか?
今回はほぼすべての企業が取り入れているであろうエントリーシートの作り方、活用の仕方について説明していきます。
エントリーシートを提出してもらっても差がつかない、同じようなエントリーシートばかりが来るので、一部の設問でのボーダーを引くだけのツールになってしまっている、と悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか?
そのような状態では、学生も担当者もエントリーシートの作成や確認に時間をかけるのにもったいないと思いませんか?
以下の部分に気を付ければ、より選考しやすいエントリーシートを作成することが出来ますので是非参考にしてみてください。
エントリーシートで差が出ない、理由としては、「簡単すぎる」「個性が出にくい設問になっている」ということが考えられます。
その対策としては以下3つの方法が有効です。
①文字数を増やす
②設問数を増やす
文字数や設問数を増やすのは一番簡単な、難易度を上げる方法です。
まず文字数に関してです。
知りたい内容やどのレベルまで知りたいかという質に応じて変更は必要ですが、過去200文字~600文字まで様々な文字数設定をして実施しました。
その結果、200文字では多くの学生は概要しか語れず、知りたいことが知ることができない、600文字だと文字を埋めなくてはいけないという気持ちでエピソードがより具体的になるものの、こちらが知りたい学んだことや、その経験から何が変わったのかということまでは知ることが出来ず、内容としては400文字と大差ありませんでした。
どうしてもエピソードを膨らませる方が楽ですので、追加の200文字分をそれで使ってしまうようです。
400文字だと、完結にエピソード、学んだことを網羅してまとめられる人とそうではない人が分かりやすくなり、選考としての役割を果たしていました。
企業ごとに求める質は変わりますので、担当者や数人の社員に協力してもらって実際に書いて、文字数の見極めをすることをおすすめします。
③テーマの難易度を上げる
「学生時代に取り組んだこと」という設問をよく見かけますが、この設問では多くの学生が「部活やサークル」「留学」「バイト」「ゼミ」「ボランティア」に集約されてしまって、学んだことはチームワークや根気強く取り組むことの大切さ等、想定内の回答になってしまう傾向があります。
これでは差がつかないのは当然です。
自分が大学生の頃のことを思い出してみれば、上記のような活動に集約されますよね。
就職活動で企業が知りたいのは、何をしたかではなく、どのように考えるのかということです。
例えば、経済やESG、SDGs等、社会情勢に対して論じてもらう、自社の○○について(テーマはなんでもいい)強みと弱みから考察する改善点等、一旦調べるという作業が必要なテーマを設定することによって、エントリーシートの使いまわしもできなくなりますし、学生間の能力や習熟度の差が見やすくなります。
しかし、このように難易度を上げることによってエントリー数が減ってしまう可能性もありますが、考え方によっては難易度を上げても応募してくれる学生こそ志望度の高い学生だという判断もできるので、それだけでも成果があるとも言えます。
違いをどこで見極める!?見るべきポイントと書類選考の役割
エントリーシートを1つの選考として機能させるために、見る側の視点も重要です。重要なのは、判断基準の設定と平等性、安定性です。おそらく複数の目でエントリーシートを見ていくので、平等性、安定性は良い人材を見逃さないために非常に重要です。
選考官の力量に左右されないために、項目をチェックできる採点シートのようなものを用意するのが効果的です。
エントリーシートの構成を下記1~3の要素に分けて、それぞれに点数の割り振りをしていきます。
1.背景
2.事実
3.主張(学び)
また、加点要素として4.インパクトを加えておくと個性的な人、唯一無二の経験をしている人を取りこぼさずにすみます。採用で「目利き力」というのをよく聞くと思いますが、書類選考においての目利きはいかに文章からその素養と人物像を想像できるかという『想像力』です。キラリと光るエントリーシートは誰の目に見ても明らかですので、誰が見ても見出すことが出来ます。
あくまで学生は原石ですので、過剰に期待してはいけないのです。
選考する側が、磨けば光る原石を見つける目利き力=想像力を養わなくてはいけないのです。
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