突然ですが、あなたの会社は社員研修に力を入れていますか?
社員研修を2つに分けると、①社内研修と②社外研修の2つに分けることができます。 人事担当者の方と話をする中でよく耳にするのは、「社内研修も社外研修もあるにはあるけど、あまり活用されていない」という声です。
一方で、人事以外の社員に社員研修について聞いてみると、「どの研修にどのタイミングで行けばいいのかよくわからない」「社内で設定されている選択型研修はもう何年も内容が変わってないから参加するものがない」「社員研修の内容を知らない」等の声です。
このように、もっと研修を活用してほしい人事担当者と社員にはギャップがあるようです。
そこで今回は、自社内でオペレーションしやすい社内研修についてその作り方からメリット、デメリットまでご説明していきましょう。
社内研修のメリットとデメリットを知りたい
そもそも社内研修だろうと社外研修だろうスキルや内面を磨くことで人間力(会社にとっては人材力)を高めて仕事の質を上げてもらうのが目的です。
だからこそ人事担当者は一生懸命社員研修を設定するのですが、社員にその気持ちや温度感を伝えるのが難しいという側面があります。
今回お話しする社員研修とは、各部門の社員が講師役になって行う研修の事で、それぞれの部門の役割や理念について伝えることができますし、何より同じ社内なので具体的な例を用いて説明に臨場感を持たせることができます。
研修に参加している普段関わらない部門の社員と交流する事が出来るため、そうした意味では社内に知り合いが増え、それがその後の仕事の進めやすさに繋がる可能性もあります。
また、人に教えることは二度学ぶ、というように、参加社員だけではなく教えることで講師役の社員の成長を促すことが出来ます。 つまり、参加する社員全ての成長が見込める、ある意味効率の良い研修ともいえるのです。
では、社内研修の具体的なメリットとデメリットについてお伝えしていきましょう。
メリット
①具体的で臨場感があり、理解しやすい
同じことを伝えるのでも、具体的な例があるのとないのとでは、わかりやすさと理解度が大きく異なります。
社内研修だと、前述した通り社員が講師を行いますし、社内の具体的な仕事の経験を事例として活用できるので、研修を受けている社員も「あ~、あのことか」と自分事に落としやすく理解が容易です。
②低コストで実施できる
社員が勤務時間内に実施する研修なので、費用はほぼ0円です。
もちろん新人研修や階層別研修等まとまった規模で行う研修であれば、場所を別で借りることがあるかもしれませんが、講師に払う何十万という費用がかからないだけでもかなり低コストで実施することができます。
③目的や用途によってアレンジしやすい
外部講師による研修だと内容を自社専用にアレンジしてもらったりすると、それだけで追加費用が発生することがあります。
もちろん、研修を仕事にしているプロですから内容だけを見ると満足できるものですが、費用とのバランスを考えて決める必要があります。 しかし、全て社内で完結する研修であれば、参加者のリクエストを直前まで反映させて変更していくことも可能ですし、当日の参加者の質問や要望によって柔軟にアレンジすることができるのです。
デメリット
①刺激が少なくなる可能性がある
講師、参加者ともに社員だからこそ、自分事に落とし込んで考えやすい、質問がしやすい、研修内容をアレンジしやすい等のメリットがある反面、講師が普段から一緒に仕事をしている等顔見知りだった場合、新鮮さと緊張感がなくなりモチベーションが上がらない可能性もあるのです。
②講師がプロではない
ある程度年次も階級も上の社員が講師役を務めるとはいえ、プロの研修講師ではないため運営がスムーズではない、想定外の出来事に対応できなかったりするかもしれません。そうした部分も含めて社内研修なのですが、プロ講師よりも効率が良くない場合もあるのです。
③管理が煩雑になる可能性がある
社内研修を目的や階層別に多数設定すれば、低コストで多くの社員を教育することができるかもしれません。
でも、社員研修の数だけ参加者、講師役のピックアップや根回し、また研修プログラムの作成や段取りをする必要があります。 全ての研修をしっかり運営しようとすればそれだけで人事担当者は手一杯になってしまうのです。
社内研修のメリットとデメリットをお伝えしてきましたが、もちろん社外研修も同じようにメリットデメリットがあるので、そこは次項でお伝えする研修の作り方をしっかり確認して準備していただければ、実りのある研修をすることができるでしょう。
社内研修は目的別に設定する!研修の作り方
では、社員にとって有益な社内研修を作るためにはどのようなことに気を付ける必要があるのでしょうか。 マーケティング的な表現をすればSTPCを設定した上で戦略を立て、戦略に沿った戦術を準備します。
しかし今回は、STPCではなく仕事をする上で大切なこととして言われることが多い、5W1Hの切り口でご説明させていただきます。
①When(期間)
研修の期間を決めます。1日の単発の研修でもいいのか、それとも定期的に中長期で実施するべきなのか決めましょう。
②Where(場所)
参加者の人数を決めてどこで実施するか決めましょう。社内研修であれば、社内の会議室を使うことが最も低コストで実施できる方法です。
③Who(誰と、誰に)
研修の対象者は誰なのか?また誰に講師をお願いすべきか決めましょう。対象者を明確にしておかなくては研修内容も決まりませんし、研修自体が曖昧なものになってしまいますので、しっかり設定しましょう。
④Why(課題や目的)
何を目的とした研修なのか設定しておきましょう。
⑤What(研修の内容)
研修の具体的なタイムスケジュールや準備物を決めておきましょう。
⑥How(方法)
集合研修なのかe-ラーニングなのか方法を決めましょう。
工程が多く大変なように見えますが、課題を明確にしておけばそれぞれの項目は自ずと繋がってくるものです。
とはいえ、新しい研修をイチから作るのは非常に手間がかかることだということは間違いありません。
社員の教育は人事の仕事の本丸とも言えるものですので、手間を惜しまず考えていきましょう。
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