新卒で採用した人材がすぐ辞める…。
これは企業にとっては、採用にかけたコストと時間が無駄になってしまう大きな痛手。極力避けたい事態ですよね。本人や職場に問題があることもありますが、職場に適した人材を採用できていない、「採用のミスマッチ」の可能性もあります。
もし、新卒入社した社員がすぐに辞めてしまうことが続いたら、採用のミスマッチが起きていないか次のことを意識してみましょう。
提供する情報を見直すことでミスマッチを防ぐ
1.採用情報を「盛りすぎない」
多くの学生に応募してほしい。そんな思いから、ついつい採用情報を「盛って」しまっていませんか。
その「盛り方」が許容範囲ならよいのですが、あまりにも現実とギャップがあるようだと早期離職の原因になります。イメージがよかった分、入社後に「書いてあった情報と違う」「思っていたのと違う」というダメージが大きくなるからです。
たとえば、「従業員がみんな20代で和気あいあいとした職場です」と表記されていたとしましょう。
それが実際に入社してみたら、確かに皆20代だけれど、同世代がゆえにギスギスしていた。あるいは人間関係が濃すぎて、毎晩のように飲み会に付き合わされるのが辛い。
そうなれば、「こんなはずではなかった」となってしまいます。
採用情報はよく見せようとし過ぎず、事実とエピソードを中心に載せるように意識しましょう。
2.会社説明会ではマイナス情報も隠さずに
会社説明会や面接の場では、マイナス情報も伝え方を考えながら、隠さずに伝えておくことが必要です。
「繁忙期は毎日終電になることもありますが、通常は早く帰れます」
「育休制度などはまだ整っていませんが、これから整えていきたいと考えています」
このようにマイナス情報も、それをフォローするような情報とセットで伝えれば印象は変わります。
「マイナス情報を伝えて、辞退されたら困るじゃないか」
と思うかもしれませんが、入社してからすぐに辞められるよりは、選考過程で辞退してもらったほうがお互いにダメージが少なくてすみます。特に、社内で退職理由になることが多いような状況については、うまくマイナス情報を伝えておきましょう(もちろん、その退職理由を改善する努力も必要です!)。
3.理念やミッションなど「会社の思い」を伝える
また、会社説明会や面接で会社の理念やミッションなど、「会社の思い」を伝えていくことも早期離職防止につながります。
経営者が事業や社員に対してどのような思いを抱いているか。
どんな会社にしていきたいと思っているのか。
社員にはどんな働き方をしてほしいのか。
「会社の思い」をしっかり伝えれば、その思いに共感した人が選考に進み、入社を決めることになります。
会社の思いに共感しているということは、会社の目指す方向性と、自分の目指す方向性ややりたいことが一致しているということ。会社の思いに共感し、自分の目指す方向性と一致していれば、よほどでない限り「すぐに辞める」という事態にはならないはずですよ。
4.社風は写真やエピソードでわかりやすく
新卒の社員がすぐに辞める場合、社風に合わない、人間関係がうまくいかないというケースもすくなくありません。「社風のミスマッチ」を防ぐためにも、社風は写真やエピソードでできる限りわかりやすく伝えましょう。
「社風」というと漠然としていますが、社内で行っている業務以外の活動を伝えることで、「社風」は伝わっていきます。
たとえば、このようにイメージしやすいエピソードで伝えていきましょう。
「毎朝8時30分から15分間朝礼をして、お客様から頂いた感謝のメッセージや苦情を共有しています」
「暑気払いや忘年会、新年会、お花見など、全社で飲みに行くイベントがあって、職場ではほとんどの人が参加しています」
「毎年1回泊りがけの全社研修があって、事業報告や成果発表大会などがあります」
「月に1度、日曜日の朝に地域の清掃活動にボランティアで参加しています」
社内の行事や業務外の活動を予め話しておけば、それを「いいな」と思える人、またはそれが特に嫌だと思わない人だけが選考に残っていきます。仮にそれで辞退をする人が出てきたとしても、入社してから「こういうのは無理…」と辞められるよりもずっといいと思いませんか。
「とにかく頭数を採用したい」から「本当に合う人」の採用へ
なかなか採用がうまくいかなかったり、応募者が集まらなかったりして、「とにかく採用できればいい」という採用活動になってしまっていることもあるでしょう。
しかし、本当に自社のことを理解し、共感し、「自分のやりたいことがこの会社にある」と思っている人を採用しなければ、一度は採用しても、「この会社は自分には合わない」と早々に辞められてしまいます。そうなると、再び採用と教育をやり直さなければなりません。それは企業にとっても現場にとっても、結構な負担になります。
新卒で入社した人がすぐ辞める状況が続くときは、社内の制度や人間関係に問題があることも多いですが、そもそも採用で「採用するべき人を採用できていない」ことも決して少なくありません。
新入社員の離職率が高い場合には、「本当に自社に合う人」「入社してもやっていける人」を採用できるように、採用活動での情報提供の仕方を見直していきましょう。
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