年卒採用において、未内定の学生はもちろん、内定を獲得しているものの自分にとってベストな選択をするために就職活動を続けているという学生もまだまだいます。
2019年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)を対象に実施した『7月1日時点での就職活動に関する調査』(※)によると、就職決定企業で働きたいと具体的に思ったタイミングについて、「面接等の選考試験を重ねていく中で徐々に」(28.2%)に次いで、「セミナー・会社説明会に参加したとき」(22.0%)という回答結果が出ています。この結果から、面接等の選考試験だけでなく、会社説明会も応募者の入社意欲を高める大きなきっかけになり得ることが分かります。
では、会社説明会で入社意欲を高めるためにはどのようなポイントが重要となるのでしょうか。
「伝える内容」という観点と、「プレゼンテーター」「プレゼンテーションツール」という観点で、それぞれ企業側が見落としがちな重要ポイントをご紹介します。現状の内容や方法と照らし合わせてみてください。
入社意欲を高める会社説明会の伝える内容とは?
学生の入社意欲を高めるためには、ただ、会社の事業内容や仕事内容を説明すればよいというわけではありません。説明を聞いた後に「この会社、面白そう」と学生の興味を喚起できるように、以下の2点を意識してみましょう。
採用コンセプトに沿っているか
自社の採用ホームページや就職情報サイトのページを作成する際に決定した、採用コンセプト。
会社説明会でも、そのコンセプトに沿った内容になっているかが大切です。参加者は、求人情報を見て良い印象を持ったからこそ、説明会に来ています。しかしいざ説明会に来ても、求人情報で打ち出している内容にほとんど触れられていなかったとしたら…。あるいは、採用ホームページや就職情報サイトでのイメージとあまりにも違っていたら…。
「思っていた企業と違っていた」と、そのギャップから、一気に志望度が低くなる可能性があります。
たとえば、「事業の社会貢献性」をコンセプトに決め、それを訴えるメッセージを採用ホームページや就職情報サイトで発信していたのであれば、企業説明会でもそれに関連する話を軸に、重点的に紹介しましょう。
また、採用ページでも使ったキャッチフレーズを説明会でも使うことで、参加者の記憶に残りやすくなります。説明会では様々な情報を発信することになりますが、その都度大事なところでは採用コンセプトに絡めて情報を発信することが大切です。
プレゼン用のパワーポイントのまとめ方、デザインなども含めて、「説明会が終わったときに参加者が持つ印象(○○な会社だ)」=「採用コンセプト」に沿った内容になっているかどうかという観点で、説明会での全体的な話の構成を見直してみましょう。
第三者からの評価内容が入っている
説明会参加者は「企業は自社の良いところばかり伝えるもの」という前提で話を聞いています。
ですので、自社の説明に加えて第三者からの客観的な評価内容(評価機関からの認証・受賞、新聞などのメディアで取り上げられた事例など)があると、説得力が増します。もし第三者からの評価内容があるのに盛り込めていなかった、という場合はぜひ紹介すると良いでしょう。
認証や受賞、メディアで紹介されるなどがない場合には、参考情報として社員の満足度調査、あるいは社員の生の声や、Vokersなどの口コミなどを紹介するという方法もあります。
また、反対によくない口コミ、あるいは業界全体に対するネガティブなイメージがある場合には、その第三者からのよくない評価に対するフォローとして、口頭ベースでそれを払拭するようなポジティブな情報も伝えると「正直に伝えている」という印象を与えることができます。
たとえば、「残業が多いというイメージがありますが、確かに定時に帰れることは少ないですが、週に2~3日は18時に退社しています」など、第三者からの評価に対して客観的な事実を伝えてネガティブな印象を払拭していきましょう。
もちろん、「会社や仕事のことを分かりやすく伝えられているか」なども重要なのですが、上記2点のポイントについては見落とされがちです。「求人情報は変えたものの、説明会の構成は前年までのものを踏襲していた」「第三者からの評価は盛り込めていなかった」という声もありました。「この会社に入社してみたい」「この人たちと一緒に働いてみたい」と思ってもらえる企業説明会にするためにも、このような視点でもう一度、内容をチェックしてみてはいかがでしょうか
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