コロナ対策で集合型の会社説明会を控え、説明会や面接をオンラインで行う企業も一気に増えました。リクルートキャリアの就職みらい研究所が行った調査によると、学生のWeb上での個別企業説明会の経験を聞いた質問では、全体の54.7%と、実に半数以上がWEBでの会社説明会を経験したと回答しています。
コロナ以前の就職活動であれば、インターンや選考プロセスで何度か会社に足を運ぶうちに会社や他の社員などの雰囲気などを感じ、それが「この会社で働きたい」と入社のモチベーションとなることもありました。しかし、オンライン説明会や面接では、会社や他の社員を体感するプロセスがないため、今まではあった入社動機形成の要素が1つ欠けてしまっているのです。
さらにマイナビが行った「2021年卒 マイナビ企業新卒内定状況調査」(2020.10.29)によると、内定者に実施しているフォローについては一般的に食事会を伴う「懇親会」の実施割合が減少しており、「内定者懇親会」は58.2%で前年より16.0pt減少、「先輩社員との懇親会」は30.9%で前年より11.8%減少していると報告されています。
入社の動機形成をする要素がいつもより少ないのに、コロナ対策のため内定者をフォローする機会が減少しているからこそ、内定者フォローを例年より意識する必要があるといえるでしょう。
With コロナ時代の内定者フォローのポイント
内定者フォローの本質は、内定者と企業、内定者同士の接点を適切に作り、様々な情報を提供し、コミュニケーションの機会を増やして、
・「本当にこの会社でよかったのか」という不安
・「本当に自分に合っているだろうか」というミスマッチ感
を解消していくことにあります。そこで、With コロナ時代に内定者の不安やミスマッチ感を解消する内定者フォローの3つのポイントをご紹介します。
1.1対1でカジュアルに話せる場をつくる
内定者の不安を取り除き、「この会社に決めてよかった」「来年から一緒に仕事をするのが楽しみ」と感じてもらい、内定辞退を防ぐには、内定者と社員のコミュニケーションの量がとても大切です。「面談」という改まった場もよいのですが、できればコロナ以前でいう「内定者懇親会」のような、カジュアルにコミュニケーションができる場があれば、より不安は払拭しやすくなります。
カジュアルに、といっても複数の人数が参加するオンライン懇親会などでは、1人が話す話題を共有できるというメリットはありますが、常に「話す人」は1人であるため、オフラインの懇親会と異なり、誰かか話している間は、他の人は話ができません。
つまり大人数になるほど、「自分の思いが話せない」「聞きたいことが十分に聞けない」人が出てきてしまいます。そうなると、「あまり話ができなかった」とオンライン懇親会の場が、入社への不安を駆り立てる場になってしまう可能性もあります。
With コロナ時代の内定者フォローとして、最も頻繁に顔を合わせてきた採用担当や入社2~3年目の年齢の近い先輩社員と、1対1でカジュアルに話せる場をぜひ設けてみませんか。1対1であれば、コロナ対策を十分に行い、直接会うのがより効果的ですが、それが難しい場合にはオンラインででもその機会をつくるようにしましょう。
2.内定者同士交流できる機会をつくる
とはいえ、複数の人数が参加するオンラインの懇親の場も、もちろん効果的です。どのような形であれ、内定者同士がお互いを知り、仲良くなれれば、「この会社でやっていけるのか?」という不安の解消と内定辞退の防止になるからです。
Withコロナの今だからこそ、内定者同士のオンライン飲み会や、グループチャットなどお互いコミュニケーションをとる機会があるかどうか、採用担当として内定者同士交流も気にかけてみてください。
内定者同士が仲良くなり、自主的に内定者グループをつくってコミュニケーションが盛んなようであれば、内定者同士に任せておくのが一番よいでしょう。しかし、内定者同士でそのような自主的なつながりができていない場合には、内定者同士で交流できる機会や場づくりを配慮してみましょう。
3.コミュニケーションツールを有効活用する
そして内定者同士、または若手社員と内定者との交流の場として活用したいのが各コミュニケーションツールの有効活用です。
今は様々な内定者フォローツールがあるので、導入している企業も多いでしょう。それぞれのツールでは、情報共有や密なコミュニケーションができるようになっていますが、その場でのコミュニケーションをぜひ盛り上げていきましょう。
まとめ
企業側の発信者は、内定者とできるだけ年齢が近くカジュアルなコミュニケーションができる若手の採用担当や、入社1~3年目の社員が適任です。職場の雰囲気がわかるちょっとしたエピソードや、仕事や会社とは関係ない雑談など、今こそオンラインでもお互いの距離が縮まるようなコミュニケーションを意識してみてください。
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